
[2010/06/10]
ブログがdeliciousの墓場のようになっています、すみません。
久々にセミナーのレポートでも。
先日「CSS Nite in Ginza, Vol.47」に参加してきました。テーマは「コンテンツ流通を促進するCreative Commons」。
今回この議題でセミナーが開催された主旨は、インターネット時代の今、ソーシャルメディアの発展と共に情報をアウトプットする誰も彼もが著作権を意識しなければ法的に訴えられてしまう事も有る、また著作権法で守ってもらう事も出来る、という事を知っておかなければいけないという事で決まったそうです。
※本編で聞いた事をなるべく咀嚼してアウトプットしていきます。ということで、一部私の個人的意見も混じるかもしれません。
著作権は、物を作った、書いた、撮った時点で「自動的に」発生するもの。(何の宣言も表示もなくとも著作物が保護されるもので、それを「無方式主義」と言う。)
だから、特に書いてないじゃない、という事は有り得ないのが著作権です。
世界共通(後述)の著作権である"クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称"。日本で有れば、日本の法律に則った著作権法の上で著作権を主張出来るライセンス、と考えれば良さそうです。
著作権という概念が出来たのは、ヨハネス・グーテンベルクが印刷技術を生み出した瞬間から。
元々は Copyright = 「copy(コピーする)」「right(権利)」を主張できる、つまり、(今とは違い)出版社側の権利として出来たものが「著作権法」。当時の出版社というのは、イコール、ローマ教皇(ローマ教皇から指示され、印刷物を作成していた)。
そうして出来た著作権が、フランス革命を経て right of author(著作側の権利)に転換していき、この後1886年のベルヌ条約で著作権が制定されるに至る。
日本では、1899年に著作権法が制定されることに。
余談として、著作権の世界議会副議長国として日本が選出されたため、他国よりも強い著作権法を策定しよう!ということから、世界的にも稀に見る厳しいルールが作られたそうです。
その後日本では、1970年に法改正され、基本的人権と同等の手厚い保護を法的に受けられるようになっていきます。
無方式主義による著作権の保護期間は50年、つまり著作者の死後50年まで(アメリカでは70年など、国により差が有る)著作者人格権(決して譲渡されない)が保護されるというのが基本的な著作権です。
難しいと思われがちな部分は、他の知的財産権と混同されてしまうところ。例えば
また「著作権」と「著作者人格権」との関係性。
あとは著作物と著作権の「定義」(作品に思想(真似をしているのか、など)が入っているのかどうか、子供の落書き(模写)は著作権が関与するのかなど)。
一言で著作権と言えども、多々有る曖昧である部分が「難しい」とされる所。
ちなみに、今年(2010年)1月までの日本では YouTube や Google など検索エンジンやソーシャルメディアも違法であったそうです。
理由は、検索をした時点で「たとえばキャッシュ」が検索結果に表示されます。でもこれ、著作者のサイトで表示されるわけではなくて、各サービスで表示されていますよね? → 著作権法的には違法、という判断だったそうです。
2010年1月からは、キャッシュに関しては合法になりました。
ところが、合法になったのはキャッシュに関して、のみです。インターネットのソーシャル化が進むと、どんどんどんどんこういった部分がグレーになっていくと予想されます。
今まで行なわれていた「気に入った本のコピーをとる = 個人の自由、著作権がからむこと = プロ対プロ」という切り分けがあったものが、インターネットが間に入る事で「例えば有名ブロガー(個人)の発言」と「メディア(プロ)の記事」の間の差(発言力)が無くなってきた事が大きな要因。
アメリカでは DMCA(Digital Millennium Copyright Act:デジタルミレニアム著作権法)が施行されており、DMCA とは Notice and Take down 方式、つまり「訴えられたら取り下げる」というアメリカらしい保護のされ方をされているそう。
こういった事から、今やプロもアマも問わずに著作権を意識しなければインターネットで情報を発信していけないようになっていったことから、世界共通のライセンスであるクリエイティブ・コモンズが生まれるに至る。
重点事項として、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)は「デフォルトで禁止にしない」ライセンスである事を上げておきます。
More: http://creativecommons.jp//licenses/#ixzz0oXk2VU19
Under Creative Commons License: Attribution
クリエイティブ・コモンズには大きくわけると3つ(※クリエイティブ・コモンズのサイトでは2極にわけられていますが、セミナーでは3つでした)しか定義が有りません。以下、主張の厳しい方から
以上からの最低限の権利として、以下の4種の CCライセンスを選択(主張)出来るようになりました。
ライセンスの主張には、「コモンズ証」>「ライセンス条項」>メタデータ、という3条件を提示する事が出来ます。
コモンズ証では、ピクトグラム化されて簡単な条件の書かれた表示を。
ライセンス条項では、各国の著作権法に則った詳細な条項の表示を。現在クリエイティブ・コモンズに同調している国は54カ国にも及んでおり、ライセンス条項はそれぞれの国の言語に翻訳されていて、クリエイティブ・コモンズ主張以外に契約書を作成する時等にも参考になるような条項が提示されているとのこと。
メタデータでは、(例えば画像等に条件を埋め込む等も可能で)検索条件として「CCライセンスで公開されているもの」という項目にチェックした上で検索を行なった時に検索される/されない等の利用のされ方をしています。
ほぼ以上で内容はカバーしていますが、詳しい条件/項目についてはクリエイティブ・コモンズ(日本語)のサイトでご覧頂くと良いかと思います。
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
さてでは、ウェブサイトの著作表示についてはどうでしょうか。実は何も表示していなくても「無方式主義」にて保護されている物でした。
更に良い、という意味では
© 年 名
という書式が一般的に利用されていますが、実は年表記をする必要は無いそうです。海外の法規で年号を記述しないといけないということが有ったそうで、その「名残だけ」という補足説明がなされていました。
※鷹野さんの意見としては、ここの部分の年号変更をするのに制作者は更新費をもらえるからね、とも。(ただし、ここの年号は制作年なのでそもそも更新の必要がないという意見も聞いた事が有ります。)
不当利用された時に、実際日本で訴訟を起こしても勝訴出来る確立は半分以下だそう。理由は、真似たものかどうかの判断がつかないため。立証がとても難しいそうです。
これを防ぐ方法としては、明らかに後から追加した物だろう「罠」を仕掛けておく等の方法が有ります。たとえば地図の会社などは、実際に有り得ない道を1本引いておいて、コピーされたらそこを武器に訴える、など。残念ながら現状ではそういった方法でしか対処できないそうです。
また、PicScout(http://www.picscout.com/)というイスラエルの会社では写真を電子的にポイントで認識する技術を保有していて、どんなに色を改編しようとも一発で改編を見抜かれてしまうそうです。現在 Web 上に上がっている写真は98%が(著作権的に)不法な物だとこの会社は訴えているそうで、著作を守る側と使う側でのいたちごっこが繰り広げられているという事です。